『ランで旅する。』

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【UTMF 2014 奮戦記】

【UTMF 2014 奮戦記】

第三回UTMF(Ultra Trail Mt.Fuji) 参戦記録

今年は途中80km地点でリタイアをしましたがそこまでの内容をまとめた。

 大会概要

今年で第三回目となるUTMF(Ultra Trail Mt. Fuji)

毎年、静岡県や山梨県との調整などがあり、コースが変わります。

今年は第一回目と同じの時計回り。私は逆時計回りの方が楽であったという印象が残っているので今年は大変だとという思いを胸に。

天気に恵まれたが18時以降に杓子岳付近で雨予報。この序盤の杓子岳は標高約1,500m。

この山は斜面が急。特にコースで言う下り側がこれは不安。

スタート前

今年もスタート前にNew-Haleコーナーへ行き、テーピングを行ってもらう。

今回はモンブランで痛めた足首からスネにかけての筋と大腿四頭筋。および最近、つりそうになるハムストリングを配慮したテーピングを施してもらった。

レース序盤戦

いざ、スタート。毎年、最後方からスタートしていたが今年は無理やり前の方に行き、スタートした。

最初は細い道のりが続くため若干走りづらい。ペースは結構速く、「こんなペースでみんな169km走りきるのか?」と思いながら周りに合わせて走っていた。

フラットな道はそんな周りのペースに合わせながら走る。その後、登りが始まり歩き始めるランナーが増える中ゆっくりではあるが走り続ける。この段階で強の足腰はだいぶ重いなという印象を持つ。

気温が20℃弱あったため、汗を大量にかく。はじめから登り応えのある山で頂上後同じ高さまで下るがアスファルトが多かった。やはりアスファルトの下りは足腰の負担が大きいと改めて感じる。。。

この下りで今まで経験の無い痛みを左の尻から左ハムストリング外側に感じる。下りで着地するごとに痛い。

また、足の裏の外側に痛みがある。これも着地するごとに痛い。。。

 走り始めだからしょうがないか。。。もう少し様子をみることにしてみた。しかし、痛い。。。

第一エイドでランナー知り合いのO氏に会う。O氏に「きついですね」と伝えたら「今ここにいる人たちは30時間でゴールする人たちだよ。」ようはペース速いよということです。

その後ほぼ同タイミングでエイドを出発したがぐんぐん置いていかれました。第一エイドではオレンジとバナナを2,3切れずつ食べて5分程度でスタート。

 前半戦最初の難関 杓子岳

杓子岳にむけて走り始める。最初は緩やかな坂がずっとずっと続く。右へ左へとジグザグに。(*これは去年のレースの後半朦朧としていた時に長いだらだらした下りだと思ったところだ。)

この坂のあとに急な登り坂が杓子の頂上まで続く。前の人のペースに合わせて黙々と登っていき、その内、鐘の音が聞こえてきた。

これは確か頂上に設置されている鐘だと一回目大会の時に聴いたのを思い出す。あともう少しで頂上だ。と思ったらあっという間に到着。

”おー、もう杓子登りきったか楽勝楽勝”とこの時は思っていた。

その後、平坦な道をしばらく移動し下りが始まる。ここは崖を降りていくような道のり。スムーズに降りていけないために降りる順番を待つ。

一歩一歩丁寧に下る。この時もやはり、左尻から左ハムストリング外側に嫌な痛みを感じながら降りる事となる。

その後走れる下り坂となり、一段となって下り続け、第二エイド二十曲峠。バナナやスナック菓子を適当に口に入れてボトルに水を入れてすぐにスタート。

第三エイドの山中湖までの道のりは難なく通過。次の第四エイドも小さな山を3つ越えたらすぐだ。と思いスタートしたら、

なかなかの3つの山でした。どれも急で登り応えのある山で我慢の登り。

そして、最後の下り坂。気持ちよく前の人たちに付いて下っていたが急遽、脚が踏ん張れなくなり前の人からはなれていく。。。

これは明らかな燃料切れ。。。下りなのに走れなくなる。。。こんな状況初めてです。

すぐに持っていたジェル二本を口に放り込み下り始めるがしばらくは踏ん張れず、我慢の下り坂、ほぼ下りが終わりかけたくらいにようやく力が入るようになった。

完全なるミスですね。燃料切れの状態で動き続けると身体に大きな負担を与え、その負担が身体に残る事になる。

レース中盤

第四エイドすばしりにてお雑煮と焼き餅をいただき、しっかりとエネルギー補給。15分くらいの休憩後にA5,A6の太郎坊、水の塚までの登り。ここはゆっくりと着実に登る事を心がける。

太郎坊までの道はトレイルの平坦な道が続き、非常に走りやすい。後半になり、登り坂となるにつれて砂の道が増え、足が踏ん張りにくくなる。太郎坊エイド手前、エイドから出てくる選手とすれ違いながら砂道を登っていく。

A5A6の太郎坊、水の塚まではなんなく移動する事ができたが、内臓の調子が完全におかしくなる。ゲップが止まらずに胃液、胃酸がこみ上げてくる感じ。

このあたりで完全に食する事が難しくなる。A5太郎坊でおにぎりをA6水の塚でカツサンドを一つずつもらうが食べず。。。

コーヒーを飲み、身体を温めた。

A6水の塚は通過したが午前4時くらい一番冷える時間帯であった。水の塚のエイドは暖房で非常に温かくなっており、

エイドを出るときは猛烈な寒さであった。しかし、ウィンドストッパーのジャケットとグローブのみで数分走ったらすぐに身体が温まった。

ここからは下り坂。始めスキー場のゲレンデを下ったが前の人についていったところ雪が残っている場所を通る事に。

こんなコースありかよと雪の場所を通過した直後に後方から「コースこっちだぞ」という声が聞こえてきて戻る事に。。。

ここで声をかけられていなかったら更に進んでいってしまったのだろう。。。

その後は細い道のりで下りを中心に平坦と登りを繰り返すコース。夜明けの時間で少しずつ道が見やすくなる。

このUTMFやUTMBなどの100マイルレースの最大の良さは夜明けの一日が始まるぞという雰囲気を力を味わいながら走れるところだろう。

少しずつ明るくなり、鳥などの声が少しずつ増えてくる。そして、ヘッドライトがいらなくなる頃から一気に明るくなる。

そして、A7エイドこどもの国への最後の直線でA7エイドを出発した方とすれ違う。外国人の方から「アト500メーターダヨ」と声をかけられてようやく着いたぁ。という気分に。

朝5:35にA7エイドこどもの国に到着。(80km地点)

リタイア 決断!!

ここまで脚の痛みを騙しながら走ってきた。その内良くなるだろう。という思いを持ちながら足を進めてきた。

山中湖あたりでは何とかなりそうかなと一時は思ったがその後のすばしりまでの下り坂での燃料切れで脚への負荷が一気にかかり、それが大きく残る事に。そして、さらに駄目押しの胃酸過多でモノが食べられない状態。

このこどもの国までのペースは想定タイム通りに来れてタイム的には申し分の無いものであった。しかし、このエイドで明け方という事もあり、緊張の糸がふと切れた。

1時間ほどそこで脚を止めて休んだがその後の走る自分をこの段階で想像する事が出来なかった。

人生初のリタイアをこの段階で決めた。あまり迷いも無くすんなりと決めてしまった。

我慢して走り続ければゴールは出来るかもしれなかったがその代償も大きいものになるだろうという直感である。昨日は友人を含めたくさんの方々のゴールシーンを見て

やはりうらやましい!ゴールした人しか味わえないモノだと改めて強く思ったと同時に

あそこで止めて良かったという思いも得られたので良い決断をしたのだろう。と前向きに捉えていて土曜日の朝から今朝まで

ゆっくりと静養する事ができたので足腰以外は既に普通の人の感覚に戻った。

過去3回160kmレースを完走しましたが走り終わったアトの1週間は人でなし状態であったため、その状態とは比べ物になりません。

やはり、80kmと160kmはまるで別物です。今回169km走りきった人はしっかりと静養して下さいね。

お疲れさまでした。

今回はしっかりと休息とケアを行えば、すぐに復帰できるレベルなのでまた、5月からランニングを楽しんでいきたいと思います。

やはり、UTMF偉大な大会です。夜な夜な寒い中選手を誘導してくれた方々、エイドで温かい笑顔で迎えてくれた方々の声援に救われながら進んでいくレースです。

本当に感謝の気持ちで一杯です。今年も良い経験をさせていただきました。ありがとうございます。

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ざか

ブログ運営者の石坂晏敬(ざか)です。 ウルトラトレイルノマドランナー、多拠点居住研究家、山手線一周ランニング倶楽部主宰、ブロガー、投資家 2008年からのトレイルランニングの世界に魅了されて、数々の大会に参戦。2010年のハセツネを完走し、2012年から始まったUTMF(Ultra Trail Mt. Fuji)100マイルレースに参加し始めて第1第2大会を完走し、その流れでフランスシャモニーで開催されるUTMB(Ultra Trail MontBlanc)というヨーロッパ1高い山モンブランの周りの山をフランス、スイス、イタリアの三国にまたがって100マイルレースも完走を果たす。 この経験が後押しして”世界中特にヨーロッパをランで旅したい”という思いが強くなり、それを実現すべく2014年にサラリーマンを辞めて、ノマドワーカーとしてしっかりと稼ぎを得ながら、ノマドランナーとして世界中を『ランで旅する。』に向けて活動中である。詳細のプロフィールはコチラhttp://nomadrunner.com/profile
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