『ランで旅する。』

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UTMB2013(ウルトラトレイルデュモンブラン)奮戦記2

UTMB2013(ウルトラトレイルデュモンブラン)奮戦記2

奮戦記1の続きです。 奮戦記1はコチラhttp://nomadrunner.com/20130905_560.html

このエイドで初めてボトル以外に背中に入れていたハイドレーションの水入れに約500mlをボトル以外にプラスファルファで入れてもらった。この50km地点までろくに食料を取っていない。

このままだとハンガーノックになるのは間違いないと判断したが身体が受け付けない。というかそもそもおいしそうなものがない(がーーーーーん(涙))

Soyjoy的なものが刻んでおいてあったのでそれを一通りの種類を無理矢理頬張った。なかなか悪くないと思ったがたくさんは食せない。とも感じた。

なんとか食し、vespaを一つ身体に放り込み。いざ出発。 この段階では乳酸を極度に感じるものの順調であった。。。

次はCol de La Segne2,516mを乗り越えて64km地点の高さ1,970mのLac Combalのエイドまでの道のりである。3時間半くらいを想定していたが。。。。。。。

走り始めてから間もなく、極度の睡魔に襲われることとなる。。。。。。今までに夜を越えるレースに三回出場したが
眠いは眠いが行動や思考がおかしくなるまで眠くなる経験はなかった。。。。

今回は完全に集中力が奪われ、夢の世界に入ってしまう強い睡魔であったため、歩いていると左側の岩壁にぶつかりそうになるという事を繰り返していた。(※ちなみに右側は崖である。)

しばらくはフラットな道が続いていたがあまりの眠さにしっかりと歩けずに一度道ばたに座り、寝る事にした。たいした時間は寝ていないと思うが若干すっきり。

うずくまっている間も「Are you O.K.? Water? Food?」など何名かに声をかけていただきました。 「Thank you. No problem. Just sleeping.」と小声で回答。

この眠さと一時止まった事から急激に身体が冷えて、心配していた手の指先に感覚がなくなってきた。手袋を二重にし、さらにGORE-TEX Active shellのパンツを履いた。これで全身を冷風からシャットアウトしてあとは体温で暖まる事を待ちながら移動。

この時は精神的につらかったために内蔵を積極的に動かしながら、「内蔵元気!!、身体も元気!!」みたいな事を唱えながら笑顔、笑顔で歩き続けた時間があった。脳みそをだましてやろうと努力してみましたよ。

身体はあったまってきたが、上りでは指先の感覚が全く戻らない。。。そして上りは登っても登っても到着しないといった記憶である。ようやく上りが終わったがその時の疲労感は半端ではなかった。

おそらく、エネルギー不足なんだろう。ようやく下り。 下りは約500mなので今までに比べたら少ない。下りは比較的走りやすいため、このエイドでサラミとチーズとパンを食べてみたところ結構、舌にあったので一切れずつ頬張り、あとホットコーヒーをいただいてからスタート。

2013-08-31 06.38.48
しばらくは平地が続き歩いていると夜が明けてきた。左側に巨大な岩山がそびえ立つとても素敵な景色で明るくなるとともにその景色に素晴らしさをまざまざと感じてくる。

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少し元気になってきた。その後、上りが始まるが牛が道を塞いでいたりとなかなかな道でした。

この三つ目のピークであるArete Mont Farve 2,435mはあまり苦労なくピークを迎える事ができ、下りが始まった。

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このコース。。。。

最高です。

トレイルやっている人には絶対に走ってほしいというくらい素敵な道でした。景色も満点。道も満点。 私のFacebookの背景写真はこのトレイルの景色にしました。この道はほんとに気持ちよく、調子に乗ってかっ飛ばしましたよ。ほんとに。73km地点1,956m Col Checrouitまでひたすらダッシュです。 気持ちよかった^^

そして、77km地点1,200mドロップバックが届いているCourmayeurまでホコリが舞う砂の急な道を下る。この道は最悪でしたね。。。。我慢して下りようやくCourmayeur

ここはサポーターが入れる2番目のエイドでとても大きい。ドロップバックを受け取り、エイドで休憩。しかし、この休憩スペースは選手しか入れず、サポーターが入れない。。。こんなに広いのになぜといった感じ。この広いスペースとペンネなど今までにない食事も用意されていた。

ペンネを食べたがあまり口に合わず、ほとんど残してしまった。。。特にドロップバックに入れていたものを取り出さずに
そのままスタッフの方に渡して40分くらい休憩してスタートした。もう日差しがだいぶ強くなってきてきた。

この段階で大事なサングラスを落としてしまった事に気づいた。。。。。(涙)

Courmayeurはモンブランをぶち抜いたシャモニーと結ぶ道の拠点となっている地。まずはアスファルトの道をひたすら登っていく。すると登山道(と言ってもアスファルトがトレイルにかわっただけ)が現れてひたすら急な坂を登っていく。ストックを使って黙々と登る。5kmで800mを登るのでかなりの勾配である。行列となり、ひたすら前の人について黙々と登り続け、途中眠りながらなんとか到着。 眠さがとにかく続く。

天気が良かったので、とにかく動き続ければ次に到着するだろうという思いで脚を進めた。この頃の脚は乳酸がたまり、思うように動かなかった。約2時間半かかり、82km地点1,989mのRefuge Bertomeに到着

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これからは基本フラットな道が続く〜〜と本来なら楽しみなはずなのに。とにかく、疲労と眠気がひどく、モチベーションがあがらない。でも天気だけは異常に良い。。。この区間もトレイルとしては最高の道だろう。

一般のハイキング客もたくさん来ており、歩きやすくとても景色の良い抜群のトレイルである。しかし、私は身体に元気がなく、ここはひたすら歩く事に。。。。しまいには、また道からそれるくらい眠くなってしまったため、コース脇の草むらに横になり、一眠りした。

不覚にも目覚ましをかけずに寝てしまったが通りランナーの足音がさっさっさと聞こえてくるため、深い眠りにならずに済んだ。しかし、その後も眠くなり、コース脇で膝を抱えて頭を下げて眠った。

この格好だと走ってくる選手から体調悪そうに見えるらしく何人からもDo you need help?と声をかけられた。O.K. No problemと回答して再び起き上がり、走り始めた。ようやく眠さがとれてきて次のエイド89km地点のRefuge Bomattiに到着。7kmフラットな道で2時間半もかかってしまった。

気を取り直して次のエイドまで脚を進める。この頃には眠さも一段落し、脚が運ぶようになってきた。長いゆったりとした下りを駆け抜けて約1時間で94km地点のArnuva1,769mに到着。

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この次は2,500mを越えて1,600mまで下る14km。ここでエネルギー確保のためにフランスパンにチーズ&サラミを食べた。この上りはずっと山が見えているため、どこまで登るかが明確に見えている。

景色は最高だし、普通にハイキングとしても最高の場所である。ただ、ここもひたすら我慢の上り、黙々と足下を見てひたすら脚を進めること。2時間で頂上へ到達した。動き続けたため、いいペースで進んでいった。

その後ずっと下りが続くのだが、眠気もとれて体調も良くなってきたので下りを走る事にした。コースとしても程よい角度でトレイルとしては走りやすいコース。気持ちよく走っていたら途中で右足首に激痛が。。。。ずっと気になっていた右足首。

スタート前から若干の痛みを感じつつも走っている時は痛みを感じなかったのであまり気にしていなかったが距離が増えるごとに右足首周りが少しずつ痛くなり、この下りで完全に一線を越えた。

この瞬間から走る事ができなくなり、右足を引きづりながら歩く事となる。。。。下りも終わりかけのころだったので負荷をかけずに歩く事ができたが明らかに負傷者の体となっていた。。。。。

なんとか108km地点のLa Foulyに到着。多くの観光客に暖かく迎えられた。 しかし、脚があげられないのでなんとも情けないという思いでいっぱいになった。

奮戦記3に続く、、、、、

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ざか

ブログ運営者の石坂晏敬(ざか)です。 ウルトラトレイルノマドランナー、多拠点居住研究家、山手線一周ランニング倶楽部主宰、ブロガー、投資家 2008年からのトレイルランニングの世界に魅了されて、数々の大会に参戦。2010年のハセツネを完走し、2012年から始まったUTMF(Ultra Trail Mt. Fuji)100マイルレースに参加し始めて第1第2大会を完走し、その流れでフランスシャモニーで開催されるUTMB(Ultra Trail MontBlanc)というヨーロッパ1高い山モンブランの周りの山をフランス、スイス、イタリアの三国にまたがって100マイルレースも完走を果たす。 この経験が後押しして”世界中特にヨーロッパをランで旅したい”という思いが強くなり、それを実現すべく2014年にサラリーマンを辞めて、ノマドワーカーとしてしっかりと稼ぎを得ながら、ノマドランナーとして世界中を『ランで旅する。』に向けて活動中である。詳細のプロフィールはコチラhttp://nomadrunner.com/profile
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